EAは1か月で実際どれくらい稼げるのか?(そして「口座を倍にする」がなぜ罠なのか)
「月利30%」「3か月で10倍」——ほぼ確実に罠です。月間リターン、ドローダウン、複利、実口座の現実的なレンジを使い、健全なリスクの下でEAに現実的に期待できる利益と、破綻が運命づけられた「高利回り」設定の見分け方を解説します。

「このEAは1か月でどれくらい稼げるのか?」——これはEAを買う前に最もよく聞かれ、そして最も騙されやすい質問です。売り手が「月利30%」と口にすると魅力的に聞こえますが、「高確実・高リターン」をうたう主張はほぼすべて罠です。ここでは誇張なしに、月間リターン、ドローダウン、複利、実口座の現実的なレンジを使って、健全なリスクの下でEAに現実的に期待できる利益を解説します。
まず「単位」をはっきりさせる
同じ数字でも、どの尺度で示されるかによって意味はまったく異なります。
- 月間リターン:その月の残高(エクイティ)の増加率(%)。最もよく引用される数字であり、都合のよい月だけを選んで見栄えよく見せるのも最も簡単です。
- 年間リターン:1年単位まで引き伸ばすと、運だけでごまかすのははるかに難しくなります。実際に1年間運用して年利40%を出したEAは、「先月+30%」よりもずっと信頼できます。
- 絶対額:同じ月利5%でも、$10k の口座なら$500、$100k の口座なら$5,000——割合は同じです。「月に$5,000稼げる」といった売り文句に惑わされないでください。
EAを見るときは、単月のピークではなく複数月にわたる月間リターンの分布を重視してください。毎月安定して+2%〜+6%のほうが、「ある月+28%、翌月−19%」よりもはるかに健全です。これらの数字の読み方はMyfxbook指標の読み方を参照してください。
リターンとドローダウンは表裏一体——上がり続けるだけのEAはない
リターンは決して単独の数字ではありません。その「代償」がドローダウンです。ともに「月利5%」の2つのEAを考えてみます。
- Aタイプ:最大ドローダウン8%、最長連敗2週間——長期保有できます。
- Bタイプ:最大ドローダウン60%、ナンピンで持ちこたえている——遅かれ早かれ、ある値動きで一気に吹き飛びます。
月間リターンは同じでも、まったく別物です。本当に問うべきは「いくら稼げるか」ではなく、「そのリターンのために、どれだけのドローダウンと、どれだけ長い連敗に耐えなければならないか」です。ドローダウンが小さく、曲線が滑らかなものを優先してください(見つけ方は低ドローダウンEAの見つけ方)。
現実的なレンジはどれくらいか
万能の数字はありませんが、冷静な参照枠を示します。
- 堅実型(長期保有向き):長期的に生き残るEAの多くは、月利がおおむね1桁台前半から十数パーセントの範囲で変動し、必ずマイナスの月、さらには連敗もあります。年利で安定して30%〜80%を出せれば、すでに相当優秀です。
- アグレッシブ型:月間リターンは高いものの、ドローダウンも同時に拡大し、パラメーター・銘柄・スプレッドの影響を受けやすく、破綻の確率が急激に上がります。
- 「月に倍/3か月で10倍」:持続可能な戦略ではなく、レバレッジとナンピンを限界まで引き上げたギャンブルです。短期的には激しく伸びる曲線でも、いずれ極端な値動きで必ずゼロになります。
一言でいえば、持続可能なリターンは「中程度でドローダウンを伴う」ものであって、「暴利で滑らか」なものではありません。高リターン+低リスク+安定の3つを同時に約束するものは、基本的にその場で候補から外して構いません。
複利は諸刃の剣——ドローダウンの代償は想像以上に大きい
多くの人は上向きの複利ばかり計算し、それが下向きにも働くことを忘れています。
- 20%失えば、取り戻すには+25%必要です。
- 50%失えば、取り戻すには+100%必要です。
- 80%失えば、取り戻すには+400%——事実上、回復不能です。
だからこそドローダウンの管理は、リターンを追いかけることよりも重要です。一度の大きなドローダウンは、それまで数か月分の複利の成果を消し去ります。小さなドローダウンと時間の組み合わせこそが、複利が本当に味方になる方法です。
なぜ「月に倍」はほぼ確実に罠なのか
高リターンは必ず高リスクから生まれます。例外はありません。短期間で巨大なリターンを叩き出すEAは、ほぼ例外なくグリッド/マーチンゲールです。損切りをせず、含み損のポジションにナンピンで買い増し、含み損を力ずくで引き戻します。勝率は100%近くに見え、曲線は上がり続けます——ある一つのトレンドが戻ってこず、一発で全滅するまでは(仕組みはグリッド・マーチンゲールEAは危険か)。「月に倍」の実口座を見せてくる者は、破綻確定のパラメーターを使っているか、いちばん見栄えのいい一部を切り取っているか、あるいは完全な詐欺のいずれかです。
カモにされない期待値の設定方法
- 十分な実口座履歴を見る:最低でも数か月、できれば異なる相場環境をまたいだMyfxbookの記録を確認し、総リターンではなく最大ドローダウンと最長連敗に注目してください(検証方法はMyfxbookでEAを検証する)。
- まずデモで、小さく始める:現実的な期待値でデモまたは最小ロットを一定期間回し、そのドローダウンに自分が耐えられることを自分の目で確認してから、増額を検討してください。
- 失っても構わない資金だけを充てる:「このお金がゼロになっても生活に影響しない」という基準で資金を配分してください(いくら必要かはEAを始めるのに必要な資金)。
- ドローダウンをコストとして受け入れる:「上昇の道のりにはマイナスの月が必ずある」と受け入れましょう。あらかじめ想定しておくことが、最初のドローダウンでパニック決済——最悪のタイミングでの手仕舞い——をしないための鍵です。
「月に倍」という神話を追いかけるより、実口座シグナルが公開され、ドローダウンを確認できるEAを選び、その実際の過去のレンジから期待値を設定しましょう。ストアでMQL5公式シグナルが付いているEAはどれも、実口座で稼いだ数字を表示しています——その最大ドローダウンと月次分布をよく確認してから決めてください。
リスクに関する注意:本記事はリターンの期待値とリスクに関する解説であり、投資助言ではありません。ここで示したレンジは一般的な参照であり、リターンの約束ではありません。EA取引は高リスクであり、過去の実績は将来の結果を示すものではなく、いかなる戦略も損失を出したり、破綻したりする可能性があります。必ず、失っても許容できる資金の範囲でのみ取引してください。
Keep reading
Put all your capital in one EA and one blow-up takes everything. A basket of 3–5 low-correlation EAs is how steady traders play it. Here's how to combine by strategy, symbol and correlation — and how many is right.
Weekend gaps and big news like NFP/FOMC blow spreads up several-fold and make slippage wild. Whether to pause depends on your EA's strategy — here's a decision table by type, plus the practical settings.
Beginners pick EAs by return; veterans look at drawdown first — return decides how much you make, drawdown decides whether you survive long enough to make it. Four steps to a genuinely low-drawdown EA.